maturimokei’s blog

俺たち妄想族

ゴジラの復活4

噴射器のコンパクト化のために、

1 元のバーベキューファンの、モーターを納めるための出っ張りのある方(写真手前)とは逆の、平な面(写真奥)を使う。ど真ん中に固定用の穴を開けないと羽が壁に接触してしまうので、穴開けは1mm以内の誤差に収まるよう慎重をきさないといけない。

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新旧比較(横から)高さを2センチ低くするのに成功。

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新旧比較 外観も便所の臭気抜きがダイソンになったみたいでかっこいい。

2 高さを抑えるために、小さいモーターを使う。元のバーベキューファンに付いていたモーターは形状と大きさからマブチのR E -280型だと思われる。大きいのでトルクはあるが、小さいFA -130型モーターの方がレスポンスは良いはずだ。同じFA型ならミニ4駆のモーターはどうだろう。試してみる価値はある。ちなみに、R E -280は5800r/min、ミニ4駆のチューンナップモーター、ウルトラダッシュはなんとカタログ値24000〜27500r/min、ほぼ4倍だ。551円も惜しくない。

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新旧比較 ウルトラダッシュの小ささがわかる。取り外し可能だがしっかり固定に成功

 ここまで読んで、うまくいかなかったことに気づいた方は鋭い。そう、だめでした。風力が大して出ないのだ。本来付いていた場所の反対側に羽をつけたから、羽は反対に回る。またしても反対の反対の反対は反対の反対の反対なのだ。またプラスマイナス逆にハンダ付しなければならなかった。

 結果は爆風である。噴射する風圧で自らが動き回るのだ。恐るべし、ウルトラダッシュモーター。さすが27000回転は伊達じゃない。本体に収める。余裕を持って入る。ダイソン風のボディがとてもおしゃれだ。電源から噴射器に直付したカートリッジへの流れがシンプルで美しい。なのに、

 反応しない。実験用バッテリーではもったいないぐらい爆煙を出して慌ててスイッチを切ったのに、回路に繋ぐと反応しない。訳がわからない。

 頭を冷やす。一つはモーターノイズの問題。ゴジラ付属のモーターには全てノイズキャンセラーとしてのコンデンサーがついている。ウルトラダッシュには付けていない。それが電子回路に誤動作を起こさせているのか。または、回転数が多いということは電流も多く流れるはずだ、4倍回るということは4倍流れるのか?回路が過電流を検知し電流を抑え、結果供給不足で回らない、今まで本体の回路につなぐと風力が落ちたのは、吸気道が塞がれたからではなくて、回路が電流を抑制していたからなのか?想像するのはそれぐらいで、本当に何が原因かわからない。文系の私は回路には手がつけられない。とりあえず、モーターにコンデンサを付けてみることにする。これぐらいしかできない。ちょっと弱気になってきた。

 

ハッと思いついた。そうだ、この手がある!

 

 

ゴジラの復活3

みなさんありがとうございます。
ゴジラの記事になってから、アクセス数が20倍くらい増えています。
嬉しいので、ゴジラネタを続けます。

ゴジラのギアの種類
 ギアボックスを開けると大抵はこんな感じです。

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 緑色は錆である緑青(ロクショウ)です。初めはカビかと思っていたのですが、違っていました。真鍮は銅と亜鉛との合金です。世の多くのギアに使われています。やや柔らかいので、加工しやすい、回転がソフトになるというメリットがあります。その分、削れやすいということですが、ゴジラのギアを見る限り、摩耗したものは見かけません。ただし、ほとんどの真鍮ギアは緑青に侵されています。真鍮が銅成分を含む以上、緑青は避けられないのです。

 ギアは5種類ぐらいある気がします。駆動系は大きめで、鉄の平ギア一枚に40歯ぐらいあり、多くは真鍮の12歯のピニオンギアが合体しています。動作系は鉄の30歯ぐらいの平ギアに8歯のピニオンギアが合体しています。こちらが曲者です。上の写真は左右方向転換用のギアボックスです。みなさん、3列とも同じギアに見えませんか?

 ところが、全て同じ歯数で左のギアの穴の内径だけが違うのです。それに気がつかなく、8個のギアを混ぜてしまい、組み立て時に入らないのでほんとに悩みました。さらにそれぞれのボックスに真鍮の厚めの平ギアが2種類付き、あとはモーターのピニオンギアです。

 まずパーツクリーナーをかけて歯ブラシで固まった古い油を落とします。下の写真は駆動系のギアの油を歯ブラシで落とし、緑青をあらかた削いだ状態です。

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 ここからが始まりです。よく見ると真鍮ギア(金色)の谷間に緑色の汚れが見えます。緑青です。最初の写真のように緑青が大きくなれば、ギアはびくともしません。電気を流すと、動きを止められたモーターにはものすごいストレスがかかります。下手すると回転ブラシが焼けます。そうなればモーターは終わりです。ですから、抵抗を下げるために、爪楊枝で一歯ずつ残った緑青を剥がしていきます。緑青が残っているほど、再び広がる可能性が高くなるからです。サビは癌のようなものだと聞いたことがありますが、できるだけ摘出し再発を遅らせます。機械ものは動かしていれば錆の発生は防げます。かまってやらなければ、一緒に遊んでやらなければなりません。幸い、薄い鉄の平ギアが錆びているのを見たことがありません。その分楽ですが、写真の平ギアの裏には全て真鍮ギアがついています。こうしたギアボックスがゴジラには6個あるのです。

ゴジラの復活2

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噴射実験 手前が旧電源、奥が新電源と噴射器

1 手動と電動のそれぞれの美点

 人間の欲望とは際限のないものです。ポンプによる手動噴射で完成としたのですが、噴射もラジコン化したいという欲望が抑えきれず、更なる深みにはまっています。手動は微妙な調節ができ、意のままに操れるという強みがあります。ポンプが空気を吸い込む時にどうしても間が開きますが、息を吸うのと同じです。生き物っぽいです。ポンプを外してチューブを口に咥え、自分の息で煙をコントロールすると、まさに気分はゴジラです。いい大人が人前ではできませんが。それに対し電動は、煙を吐き続けます。扇風機ですから。しかし、離れて操作しゴジラの体から線が出ていないという美しさがあります。技術的な困難が予想され克服した喜びがそこに待っている気がするのです。

 

2 電動化の概略

 単一の電池を単三にして、電池スペースを3分の1にするのに成功し、さらにゴジラのゴムの弾力を利用して固定すると、電池ボックスも不要になりました。その空いた空間に噴射器を押し込めようという作戦です。言うは易し、苦難の道が待ってました。でもその前に、私は既に茨の道を歩いてきたのです。

 

3 プラマイ逆

 世界規格はプラスホットと言って、赤色がプラスです。黒がマイナスです。ところがネットで大量に買ったコネクターが全て赤マイナス、黒プラスなのです。初めはそれに気づきませんでした。小学生の時から何の疑いもなく赤プラスと思っていましたから。

 背ビレ発光用のLEDが点かないところから始まりました。分岐した配線のハンダ付けが悪いのか?モーターを繋ぐと回ります。なぜLEDが点かないのか訳がわかりません。実はその時モーターも逆に回っていたはずなのですが、そんなの見えませんし思いもよりません。でもひょっとしてと思い、付けるときにショートさせないように細心の注意を払って付けたプラマイ1mmしか隙間がないLEDのハンダを外して、目を凝らしてプラマイ入れ替えました。豆電球と違ってプラスマイナスがあることは友達から聞いていたからです。点きました。ええー?と思ってネットでコネクターの評価を調べると「プラスとマイナスが逆です」がわんさか出てきます。「間違えると困るので、専用の道具で全て入れ替えました。めんどくさかったです」そんな工具持ってないよ。だいいち、そんなとんでもない商品売っていいの?

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 でも、断線はしていないから、反対につければいいや。それが甘かった。本体東京マルイはもちろんホットプラスのまともな配線、付け加えた入り口の電源と出口の出力の配線が逆。しかも出力の受けのコネクターもプラマイ逆。反対の反対の反対は反対の反対の反対なのだ、訳がわからなくなってくる。考えに考えてハンダ付したらたいてい逆。疲れた、、、、

 

 なぜこんなに大量に買ったのか?私には夢がある。世のオークションで、ジャンクという汚名を着せられているゴジラたちの社会復帰だ。フィギュアとして飾られるだけでなく、歩き、しっぽを振り、吠える、そして背びれを発光させ火を吐くそういう姿で世に復活させることだ。

 

 本体にセットすると実験では爆煙を吐いていた噴射器から煙が出ない。心なしか音が違う。風量が少ない気がする。もしかして。取り出して本体から電源を取ったまま噴射器のカバーをバラして回す。やっぱり逆に回っている。風が出ないはずだ。またハンダ付をやり直す。

 でも、まともに回っても煙が出る時と出ない時がある。回し続けていると煙が出るが、一旦止めると次が出ない。電子タバコを口で吹いてみると、最初プチと音がする。成分が空気取り入れ口を固めているのだ。従って出始めにはかなりの風力が要ることがわかった。外では最初から煙が出るが、ゴジラ本体の狭い空間に噴射器を入れたため、空気取り入れ口がふさがれて十分な性能が発揮できていないのだ。ファンの方向を水平から垂直に変えると空間が生まれるが、高さが増し、本体に入らなくなってしまう。暗礁に乗り上げた。でも、負けるもんかあ。私には次の手がある。

となりなる物の怪

   
                          原 作 宮崎 駿
                          文語訳 maturimokei

 

 昔女はらからありけり。名をばさつき、めいとなむいひける。母君あつければ、七国山に籠り給ひけり。家ひと、ひなに渡りてすまひ、父君宮づかへなれば、牛車にてかよひ給ひけり。

 ひとひ、前栽にて、物の怪の、腹白き、ねず色したる、瓜の大きさなる、立ちてありきけり。めい、しりを追ふに、古き木のうつほに入りにけり。中に大きなる物の怪、いぎたなくてをり。めい、名宣れば、神鳴るがごとくあくびけり。喜びて腹のうへに乗りて跳ねたれども、いを寝たり。
 いたう雨降る日なりけり。さつき、めいを負ひて笠さして道にて父を待ちをれば、あらんむやは、となりに物の怪ぞありける。大きなること山のごとし。木の葉を頂きて濡れをり。あはれなりければ、父君の笠を与へけり。やうやうかなたよりあかり来たれば、父君かへり給はむと思ひしに、猫車なりけり。物の怪、乗りていにけり。かへさに持ちたる栃の実をぞ渡しける。あさましきこと限りなし。
 さて、栃の実を蒔けどもさらに芽吹かざればいとさうざうし。ひと夜、物の怪来たりてありくに、栃の木にはかに太り、枝天に届きたり。頂にてもろともに笙を吹きて遊びけり。あした、木こそ失せにけれど、芽生え初めけり。はらから、夢なれど夢にあらじ、夢なれど夢にあらじと歌ひけり。
 母君なやみ給へりと聞き、めいながめをりけり。会はんと思ひけるにや、道知れることなくひとり行きけり。方違へや知らざりけん、ありけどもありけども七国山は見えず、道まどひにけり。さつき、おうな、村人こぞりて出でて尋ぬれどかひなし。池を求むれど姿なかりけり。いかにせましと思へども、ずちなし。さつき泣きてうつほなる物の怪に請ひけり。物の怪、猫車を召せば、田を越へ、木の上を駆け、野を渡りてめいをたどりにけり。めいのたまきびを持ちたるを見て、山を越へ、川面を駆け、野を渡りて七国山に走りけり。はらから母君のおこたり給ひけるを見て心安くて会はでいにけり。格子の外に、たまきびの葉に「母君」と書きて置きたり。風の音に見やり給へれば、月、中空に上りたり。

 

  をさなき日あひし物の怪

  わがかしら霜積もれども忘れやはする

 

 

 

                        

ゴジラの復活

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火焔放射

 東京マルイゴジラを修復改造しました。1995年、48800円で販売された6チャンネルラジコンは高嶺の花で、とても私には手が出ませんでした。リアルなゴムの外皮を纏った機械は、現代のアンドロイド制作に通じるもので、模型の歴史を変える画期的なものでした。私は追随した安価な中国製恐竜模型を買うのが精一杯でしたが、外皮は数年後にドロドロに溶けて床を汚しました。

 最近オークションやフリーマッケットに東京マルイゴジラが出ているのを見つけ購入しました。
 入手した3体のゴジラは、歩く1体、尻尾振る1体、吠える1体、首振る1体、旋回できる0体、内部骨格破損2体、尻尾内部破壊1体、コントローラ無し1体、コントローラー破損1体、本体受信機破損1体、という状態でした。オークションの「動作未確認」という表示は、動かないということです。電池を入れるのは簡単な作業です。電池を入れて動くのが見たいという誘惑に勝てる人の気持ちがわかりません。27年も経っているのですから仕方ありません。逆に外皮の丈夫さ美しさには驚嘆します。その中で最もよいものと修理改造後の状態との比較を以下に示します。


10歩歩くのにかかる時間=49秒→28秒
しっぽの往復にかかる時間=18秒→11秒
しっぽの振り方=横振り18秒高さ19センチ→縦振りに変更18秒高さ39センチ
吠える間隔の最短=12秒→9秒
首の振り方=イヤイヤ型コントロール不可→左右任意にタイミングと移動量をコントロール
左右旋回=可能(入手した3体全て不可能だった)→可能。首の振り方変更とコネクターで選択。回る方向に顔をむけることも可能ですが、動作が遅くなるので勧めません。ゴジラは道を譲らず真っ直ぐ歩けば良いです。
背びれ発光=無し→あり。ラジコンで操縦者の意思のままに点滅します。
火焔放射=無し→あり(熱無し。ただしレーザーを使っていますので、光源を覗き込むのは目に良くない)

 3体から良い部品のみを選択しました。全ギヤ分解サビ落とし、新規モリブデンオイル注入、全モーターブラッシュアップ静音化、正規4.5ボルト単1バッテリーボックスを充電電池用4.8ボルト単3電池ボックスに変更、軽量化、環境配慮化。内部配線一部変更。

 オークションでは6ボルトに改造したものが販売されていますが、定格3ボルトのモーターにいかがなものでしょうか。ギアが錆びたり、油が固まったままモーターに高電圧をかけるのは良くありません。当ゴジラはギア約80枚800歯を分解清掃。緑青と固まった油と奮闘すること、まさに歯垢を落とす歯科衛生士になった気分でした。バラすは簡単、組み立ては超難しいです。摩擦が減り、静かで最適な速さを取り戻しています。

 火焔放射可能。チューブを介して離れた場所からポンプで操作。手の加減でいろいろな出方がします。ポンプを外して口にチューブを咥えて自分の息で煙を出すと、まさにゴジラになった気分です。お子様は大喜びです。ただしコロナ禍では考えものです。ポンプはゴジラの内部に収納可能。ゴジラはそのまま普通に動かせます。

 

メルカリで販売しています。

 1500回噴射可能火焔放射用カートリッジを内蔵、予備新品付き。交換可能でAmazonで購入可。コントローラーはゴジラのものにしては、ボタンが加水分解することなくしっかりしています。箱、説明書美品。どのオークションを見ても、東京マルイで、全ての動作が保証され、その上背びれ発光し、火を吹き、尾を高々と縦に振るゴジラは見当たりません。口の中は舌を外して喉に穴を開けていますが、外見は背中の光源(写真参照)以外変わったところはありません。美しいゴジラのままです。
 さらに完璧洗浄の予備ゴジラスーツ付き。配線コネクターを元に戻して、しっぽ縦振り用部品をネジで取り外し、もう一体のスーツを着せると、100%オリジナルのゴジラに戻ります。

 

 改造や火焔放射の様子はYouTubeゴジラの復活3〜4」(祭り模型)でご覧ください。

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